交通事故の被害者となった場合の違反点数はいくら?

交通事故では、被害の状況や金銭的なことで頭がいっぱいになりますが、「どのくらい違反点数がついてしまうのか」ということも気になりますよね。仕事で車を使う人は特に、免停などになると大いに支障が出ますから、何とかそれは避けたいというのが本音でしょう。

しかし、自分が被害者の場合にも違反点数は付くのでしょうか。ここでは、違反点数の仕組みや、どういったケースで点数が付くのかについて解説します。

違反点数の仕組み

交通事故における運転免許の違反点数の仕組みについて、中には、「規則違反をしたり交通事故を起こしたりするたびに、持ち点が15点のところから点数が引かれていく」という認識の人もいるようです。しかし、免許の点数は減点方式ではありません。

加算方式(累積方式)が採られています。何か違反となるようなことをするたびに違反内容に応じた点数が加算されていき、一定の基準を超えると処分を受けるという仕組みです。処分内容として、免許停止や免許取り消しといったものがあります。

物損事故であれば基本的には点数がつかない

実は交通事故を起こしても、その内容が物損事故であれば、基本的に点数はつかないとされています。違反点数がつくのは人身事故の場合のみです。では、人身事故と物損事故の違いは何でしょうか。以下の項で詳しく解説します。

人身事故と物損事故の違い

物損事故というのは、死傷者がおらず、損害は物的内容にとどまる事故のことです。この場合に加害者が負うのは、原則として物的被害に対する損害賠償責任だけです。一方の、人身事故は、事故によって死傷者が出てしまった場合を指し、加害者には、被害者に対して治療費を代わりに支払ったり、慰謝料を払ったりする損害賠償責任が生じます。

つまり、簡単に述べると、両者の違いは死傷者が出たかどうかです。しかし、この死傷者が出たかどうかというのは、実際の交通事故状況というよりは、警察に対してどのように届けたかという、届け出の内容による側面もあるため、注意が必要です。

例えば、交通事故当時はケガがないように思われても、後から痛みが出てきて病院に通わなければならなくなるケースはよくあります。この場合、実際には死傷者が出ていても、警察に事故の切り替えの届け出を出さなければ、物損事故のままなのです。

人身事故と物損事故とでは警察の対応の仕方が大きく異なりますし、加害者との示談交渉で適正な損害賠償金額を得るためにも、こうした時には直ぐに物損から人身事故への切り替えを行った方が良いでしょう。

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加害者の負う責任とは

交通事故の加害者となると、3つの種類の責任を負う可能性が出てきます。1つ目は、民事における責任です。これは、事故によって生じた物的損害や、被害者に対して負わせてしまったケガなどの人的損害について償うべき責任です。

いわゆる損害賠償責任といわれるものが民事責任に該当します。2つ目は、行政処分を負う責任です。行政処分では、加算された免許の違反点数に応じて一定期間免許が停止されたり、免許を取り消されたりします。3つ目は、刑事処分を負う責任です。

死亡や傷害事故の場合には、懲役刑が科されたり、その他の道路交通法違反に対して罰金が科されたりする可能性がありますので、そうした処分を負う責任のことです。このうち違反点数が加算されるのは、2つ目の行政処分と、3つ目の刑事処分においてです。

民事では違反点数は加算されません。警察は民事不介入だからです。物損事故に対しては原則として違反点数が加算されない理由もここにあり、つまり物損事故は、そもそも民事責任にしか該当しないために点数がつかないのです。

物損事故における例外

物損事故の場合だと基本的に点数は加算されないと述べましたが、例外もあります。それは、当て逃げのケースです。例えば、他の車にぶつけて損害を与えたにも関わらず、しかるべき対処をせずに逃げてしまうと、これは道路交通法違反となります。

そうなると、物損事故とは言え刑事処分が科される可能性が出てきますし、他にも当て逃げで5点、安全運転義務違反で2点の違反点数が、最大で加算されます。また、建造物損壊罪に該当する場合も、点数が加算されます。

建造物損壊罪に当たるのは民家の壁を壊してしまったようなケースです。これも道路交通法違反となり、行政処分や刑事処分として違反点数が加算される可能性があります。

被害者であっても過失があれば点数がつくことも

では、人身事故に遭って自分がケガを負っている場合、被害者にも関わらず違反点数がつくことはあるのでしょうか。結論から言うと、違反点数がつくことはあります。なぜならば、過失割合が0対100で自分に全く過失がないというのではない限り、過失部分に関しては自分も加害者だからです。

つまり、過失割合が20対80で自分の過失は20だとしても、その20部分は自分も相手に損害を与えたということになります。そして、違反点数がつくかどうかもその過失割合によって変わってくることになります。この過失割合については、その都度事故の内容に応じて判断されるため、どのような状況であれば過失が大きいか、あるいは小さいかというのは一概には言えません。

しかし、自分の車も走行中だったなどの場合には、やはり一定程度の過失はあると判断されることが通常ですので、点数がつく可能性があると言えます。

但し、結果として違反点数がつくとしても、加害者とほとんど変わらない程度に過失があるとか、違反点数がつくこともやむなしと判断されるような重大な事故状況でない限りは、安全運転義務違反で2点や4点の加算にとどまることが多いです。

別の日に違反をしていない限り、それだけで免停などになるケースは滅多にありません。

人身事故の場合の付加点数

参考までに、人身事故の場合に加算される点数を挙げておきます。以下で述べる「専ら」というのは、運転手の一方的な不注意で事故が発生したケースを指します。「専ら以外」は、被害者にも過失があった場合です。まず、人身事故の場合には、安全運転義務違反ということで、必ず2点が最初に加算されます。

そして、事故によって被害者が死亡してしまうと、専らでは20点が加算されて免取となります。専ら以外は13点で、90日以上の免停です。全治3カ月以上で後遺障害が残る重傷事故だと、専らで13点の加算に90日以上の免停、専ら以外は9点で60日以上の免停処分が科されます。

全治30日以上3カ月未満の重症事故では、専らが9点加算で60日以上の免停、専ら以外は6点で30日以上の免停となります。全治15日間から30日未満の軽傷事故は、専らが6点加算されて免停30日以上、専ら以外は4点です。

ケガの程度が15日未満の軽傷事故や建造物損壊事故の場合には専らが3点、専ら以外が2点加算されます。これらに加えて、ひき逃げをすると35点が加算されます。